もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「いいんだよ」
「おかわりしたいな。」
「あるぞ!」
私の言葉にすぐ嶺が立ち上がる。

ちゃんと嶺とも向き合いたい。

キッチンでミルクティをいれてくれている姿を見ながら私はそっと立ち上がりグランドピアノに触れた。

うまくピアノが弾けなくなった私。でもきっと音楽が好きで、音楽をどこかであきらめられていなかったんだと思う。

そんな私はきっと嶺と出会って、嶺に支えて守られて、もう一度ピアノとも向き合う勇気をもらえたんだと思う・・・。想像でしかなくても、嶺とのこの一か月の時間が私に教えてくれているように思えた。
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