もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「おはよう」
私はキッチンで朝食を作っていた。
先に起きて来たのは恭だ。

「おはよう」
私の隣に立つ恭。

さっと私の手伝いを始める。

私たちのいつもの呼吸。

「恭」
私が恭に言わないとならないと声をかけると、恭は私の方を見ないまま話し始めた。
「鈴。俺帰るわ。」
「え?」
意外な言葉に手を止めて恭を見ると恭が私の方を見た。

「どんな知らせでもいい。待ってる。」
その言葉の背景に、恭が私がこれからしようとしていることを察してくれているのだと知った。
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