もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「図書館のイベント手伝ってほしいって言われた。」
「そっか」
「こんな私で必要とされると、うれしい。」
「そっか」
「・・・うん」
「・・・」
恭は私に絶対にがんばれとは言わない。

「頑張れって応援してくれないの?」
私の言葉に、恭は少し笑った。

「だって、俺が言わなくてもお前は頑張りすぎんだろ?」
「・・・」
「俺が言うならその逆だ。」
「?」
「頑張らなくても十分だ。大丈夫」
その言葉に私はそれまで緊張でぴんと張り詰めていた気持ちがゆるむのを感じた。

体調を万全にしなければ。せっかく頼ってもらえたんだ。いつも迷惑をかけている分もちゃんと頑張らないと。役にたたないと。感謝の言葉を無駄にしないように失敗しないように・・・。
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