もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「それで、お母さんは?」
「・・・糖尿病が悪化していて仕事ができなくて生活保護を受けてる状態だった。」
「・・・」
言いにくそうな嶺。少しでも気丈に話しを聞くことが、嶺に話しやすくできるかと精一杯自分の表情を繕う。
「お母さんに俺と鈴が婚約している話をすると、身内に生活保護を受けている人がいることが、どれだけ仕事に影響をするかって話を持ち掛けてきた。」
「・・・脅迫みたいだね・・・」
「・・・もちろん、俺は鈴のお母さんだし、お母さんの生活をサポートするだけの財力も持ってたから・・・」
言葉を濁す嶺に、その言葉の続きを私は悟った。
「お母さんにお金を渡したの?」
「・・・あぁ。」
記憶にない母親。でも話を聞くだけでも・・・理想の母親像とはかけ離れているような気がしていた。今は薄れている母の罵声。でも、その言葉の一つ一つは、現実の世界で経験したことだと、私は確信を持っていた。
「・・・糖尿病が悪化していて仕事ができなくて生活保護を受けてる状態だった。」
「・・・」
言いにくそうな嶺。少しでも気丈に話しを聞くことが、嶺に話しやすくできるかと精一杯自分の表情を繕う。
「お母さんに俺と鈴が婚約している話をすると、身内に生活保護を受けている人がいることが、どれだけ仕事に影響をするかって話を持ち掛けてきた。」
「・・・脅迫みたいだね・・・」
「・・・もちろん、俺は鈴のお母さんだし、お母さんの生活をサポートするだけの財力も持ってたから・・・」
言葉を濁す嶺に、その言葉の続きを私は悟った。
「お母さんにお金を渡したの?」
「・・・あぁ。」
記憶にない母親。でも話を聞くだけでも・・・理想の母親像とはかけ離れているような気がしていた。今は薄れている母の罵声。でも、その言葉の一つ一つは、現実の世界で経験したことだと、私は確信を持っていた。