もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
嶺の想いが私の心にじんわりと響く。
「・・・嶺」
再び嶺に視線を戻した私を嶺は優しく微笑みながら見つめた。
「鈴」
「ん?」
「もう自分のこと責めるなよ。」
「・・・」
「もっと甘えろ。もっとわがまま言え。もっと欲張りになれ。」
「・・・」
笑顔の嶺とは対照に、私は嶺の言葉にさび付いていた過去の傷が溶かされるように、涙があふれた。
「泣きたいときは泣いていい。いつだって俺は胸をかす。抱きしめる。笑いたい時は一緒にいくらだって笑う。つらい時は支える。悲しい時はそばにいる。」
「・・・嶺・・・」
「記憶がなくても、俺の気持ちは変わらない。ずっと昔も今も。いや、むしろ大きく膨らんでるよ。爆発しそうなほどに。」
そう言って私を抱き寄せる嶺。

嶺の想いに心が揺れて、涙が止まらない夜。
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