もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「嶺?」
「・・・ん?・・・あぁ・・・」
呼びかけに対して明らかに動揺した表情で私に視線を戻した嶺は、小さくその男性に頭を下げてから私の方へ慌てて近づいてきた。
「どうしたの?」
「・・・場所変えよう。」
状況が飲み込めない私の肩をリードするように抱いて、公園の出口へと向かう嶺。

「あの人、知ってる人?」
何となく察して言った私の言葉に嶺は足を止めないまま、まっすぐに前を見て言った。
「鈴のお父さんだよ」
と・・・。


あの人が・・・?
てことはあの女の子が私の妹・・・?

あの女の人が再婚相手・・・?

頭の中でさっきの3人を思い出す。
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