もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
しばらくして私の呼吸が落ち着くと、嶺は私を抱きしめたまま「ごめん」と謝った。
「どうして・・・?」
ぐったりとしながら言う私。
「ここに来たら会うかもしれないって、ちゃんと想定できてなかった。ごめん。」
「謝らないで・・・」
何とか絞り出す私の言葉。

「あの子、かわいかったね。」
嶺の罪悪感を少しでも軽くしたいと私は話を切り出した。
「あぁ。」
「2才くらいかな」
「どうだろうな・・・」
「すずちゃんだって」
「あぁ・・・」
嶺の胸に頭をもたれかけながら私は話を続ける。

「かわいい名前」
「あぁ。」
「もしかしたら、私と漢字同じかもね。」
「・・・そうだな・・・」
「だったら・・・」
そこまで言いかけて私は言葉を止めた。
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