もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
過去の私自身のことは、嶺からの話で知っている程度。
自分のことなのに、どこか他人事のようにだって感じてしまう。

でもこの人は・・・嶺は・・・

ずっとずっと何年も私に寄り添って・・・
私のことを自分のことのように思ってくれていたはずだ。

そんな嶺が泣いている。


こんな父からの言葉を・・・
もしも記憶があったら・・・

過去の私はどれだけ救われただろうか・・・

嶺の涙を見ながら、私は自分の心の奥底に眠る過去の自分に語り掛けた。

あなたは・・・ちゃんと愛されてる・・・
愛されてたよ・・・と。
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