もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
そして、週末。

私が眠れない夜を何とか乗り越えようとしている早朝。
台所からの物音で、私は布団を出た。

部屋のドアを開けるとそこには大きな体を小さくして、何やら台所で作業をしている恭がいた。
時計を見ると朝の5時。
いつもならばまだ恭は寝ている時間だ。

私がそっと恭に近づくと、その物音に恭は振り返った。

目と目が合って足を止める私に恭は少し驚きながら微笑む。
「眠れなかったのか」
その言葉に頷くと、だと思ったといわんばかりに眉をあげて恭が私を見た。

一度止めた足を再び動かすと、恭は手元にもう一度視線を戻して作業を始める。

恭は朝食を作ってくれていた。
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