もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「うんん」
心配そうな嶺に、私は何も言わなかった。

言えなかった。


今の中途半端な私の存在が、嶺にとってどうか・・・

十分にわかっているつもりだ・・・


同じように恭にとっても私は中途半端だ・・・


こんな私が何も口には出せないことを自覚しながら、どうしたらいいかもわからず、私は車から見える空を見上げた。
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