もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
柔らかい髪を撫でる。
鈴がうつむくときはこうして頭を撫でて励ました。

すると、いつも鈴は少しぎこちなく、俺に心配をかけないようにと微笑んだ。



温かく柔らかい頬を撫でる。
いつだって優しく穏やかに微笑みながら、俺を見てくれた。

その笑顔に、俺は力をもらって、鈴のためならなんだってできる。
強くなれる気がしたんだ。



小さく温かい手を撫でる。
この小さな手でたくさんの曲を弾いてくれた。

鈴の弾く音にはぬくもりがあって、いつだって俺を癒してくれた。
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