もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「だって・・・」
「・・・ん?」
私はそこで言葉に詰まる。

「だって、嶺との赤ちゃんができたってわかって・・・」
「あぁ・・・」
「幸せになりたかった。嶺と私と赤ちゃんの3人で・・・」
「あぁ・・・」
「嶺と二人でも十分に幸せだった。幸せすぎた。それが3人になるんだよ?」
「あぁ・・・」
私の言葉に嶺は頷きながら話を聞いてくれる。

「もっともっと幸せになる。」
「・・・」
「幸せになれるって思った。」
「あぁ・・・」
「でも・・・嶺は優しいから、何度だって私のお母さんから言われれば、私のためになんだってするって・・・わかってた・・・」
「ごめん」
「謝らないで・・・。全部私を守ろうとしてくれてるからだってちゃんとわかってた・・・。」
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