もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
嶺は話を黙って聞きながら、はじめから母の本当の策略を知っていたのだと思う。
だからこそ、私の話が核心に近づくにつれて私を抱きしめる腕に力を入れて聴いてくれた。
「母ははじめからもう一度、私の音楽でお金を得て、そのお金で恋人と余生を送ろうと考えていたんだって思う。」
「・・・」
「嶺に迷惑がかかっちゃうと思って、私、お母さんに助けを求めたの。マスコミの人が仕事をしているところに来たことを正直にお母さんに話した。でも、マスコミからの質問に答えずに逃げるように仕事もやめたことを言ったら、お母さんはどうしてまたチャンスを無駄にするんだって・・・・私を叱った・・・。」
その時に私は母の本心を知った。
はじめから、母は私に対して同情も愛情もすでになかった。
あるのはやっとできた恋人と、幸せになりたいという思いだけ。
病気でお互いに働くことができない二人は、豊かに幸せに暮らすためにお金が必要だった。
嶺の仕事に付き合って私がメディアに出ているのを知って、母は本当は連絡をしないつもりだったと言ったのは嘘だ。はじめから私のことをよく知っていて、罪悪感から自分に助けの手を差し伸べると、母はわかっていたのだ。
だからこそ、私の話が核心に近づくにつれて私を抱きしめる腕に力を入れて聴いてくれた。
「母ははじめからもう一度、私の音楽でお金を得て、そのお金で恋人と余生を送ろうと考えていたんだって思う。」
「・・・」
「嶺に迷惑がかかっちゃうと思って、私、お母さんに助けを求めたの。マスコミの人が仕事をしているところに来たことを正直にお母さんに話した。でも、マスコミからの質問に答えずに逃げるように仕事もやめたことを言ったら、お母さんはどうしてまたチャンスを無駄にするんだって・・・・私を叱った・・・。」
その時に私は母の本心を知った。
はじめから、母は私に対して同情も愛情もすでになかった。
あるのはやっとできた恋人と、幸せになりたいという思いだけ。
病気でお互いに働くことができない二人は、豊かに幸せに暮らすためにお金が必要だった。
嶺の仕事に付き合って私がメディアに出ているのを知って、母は本当は連絡をしないつもりだったと言ったのは嘘だ。はじめから私のことをよく知っていて、罪悪感から自分に助けの手を差し伸べると、母はわかっていたのだ。