もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「体調は一向に良くはならなくて、でも、家にマスコミの人が来て・・・私は逃げ出したの・・・」

どうしたらいいかわからないまま、ただ逃げた。

もう二度と母と会うことはないだろうと思いながら・・・私はひたすら遠くへ遠くへ逃げた。

そしてもうろうとする意識の中でたどり着いたのが・・・恭と出会ったあの海だった。




「鈴のお母さんはそのあと一人でマンションの部屋で亡くなっていたって言っただろ?」
嶺が私を抱きしめて話を始めた。

重く発せられる言葉に私は耳を傾ける。


「お母さんは騙されてたんだ」
「・・・え?」
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