もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「今となっては二人が事実婚状態だったって言われても、二人の間には本当に愛情があったのかどうかはわからない。」
私は・・二人の間にはちゃんと愛情があったのではないかと思った。

うんん。


二人の間に愛情があってほしいと思っているだけかもしれない。

どんな母でも、幼いころの優しい母の記憶が私に”母”という存在を憎ませてはくれない。
むしろ、母の最期が少しでも幸せであってほしいと願ってしまう。

少なくとも、母が亡くなるときも、亡くなったあとも、孤独ではなかったことを願いたい。

相手の男の人は、母を利用しただけかもしれない。
それでも、その人の存在で母は最期まで一人ではなく、誰かのために何かをしたいと思えるくらい、愛を感じていたんじゃないかと思う。

そして、亡くなった母のあとをおうように亡くなったその人も。
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