もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
ただ、信じたいだけかもしれない。

「嶺・・・」
「ん?」
「ごめんね・・・」
「もう謝るなよ」
「・・・ごめん」

あたたかな嶺の胸の中で、私は目を閉じた。

ずっとずっと心の奥にいた、記憶の向こうの自分自身が嶺のぬくもりに心から安心しているのがわかる。

ずっとずっとこの人のぬくもりを求めていた。

この人と幸せになる未来を想像していた・・・。


この胸の中に、私の居場所があると思っていた。
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