もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
しばらくして嶺は私から体を離した。


真剣な目で私を見つめる嶺。

「鈴」
「ん・・・?」

その真剣な瞳に、これから嶺が話そうとしていることが何となくわかった私は、緊張でうまく返事ができなかった。

「俺、ずっと待ってた。」
「・・・うん」
「鈴と再会してからも、記憶の無い鈴と一緒にいる時間もずっと」
「・・」
「鈴を待ってた。」

嶺と一緒に過ごしたころの記憶のある私を、嶺の元を去っていった私を嶺はずっとずっと待っていてくれた。
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