もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
嶺からの言葉には、たくさんの想いが詰まっていた。

私は、嶺に笑顔を返すことすらできない。

涙で顔がぐしゃぐしゃで、嶺の顔が揺れてよく見えない。


嶺を愛してた。
私のすべてだった。

私に未来も、希望も、居場所も、幸せもくれた人。


「嶺・・・」
涙で詰まりながらその名前を呼ぶ。

「鈴」

彼の名前を呼べば、彼は私の名前を呼び返してくれる。
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