もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
今までのことを思いだす。

瞳を閉じて・・・大きく深呼吸をしながら思い出す・・・。


幼い私が両親の期待を胸にスポットライトを浴びて輝いていた日々。
疲れ果てて期待にこたえられず、両親背中を向けられたこと。

母とは最期まで和解できなかった。
でも、それでもちゃんと向き合うことができたことは私にとって前に進むために必要なことだったと思う。今は、空の上で、母が最期に愛した人と一緒に心穏やかに過ごせていますようにと願うこともできるようになった。母のお墓にも毎年お花を手向けに行っている。

父とは一緒に暮らすこともできて、一人暮らしを始めた今でも私を心配してくれて定期的に一緒に食事をしている。
年のはなれた妹はかわいくて、ことあるごとに何かをあげたくなり父に叱られるほどだ。一緒に出掛けていると、失ってしまった、生まれることのできなかった命を思い出す。戻れない過去につらくなる時は小さな小さな妹の体を抱きしめて、そのぬくもりに癒される。

そして・・・
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