もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
ちょうど夕日が反射して輝く水面がきれいだ。

「おかえり」

隣から聞こえるその声に、私は涙をこらえきれなかった。


「ただいま」


私はグイっと自分の手で涙を拭う。

「あーあ。せっかく笑顔で会おうって決めてたのに。やっぱりだめ。」

「ははっ」

低い声で笑うその人の方をみようとしたその時。

ぐいっと私の腕が引かれてあたたかなぬくもりに包まれた。
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