もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「おかえり」
「ただいま」
大きなあたたかなぬくもりに包まれたまま、耳元でささやかれるその声に私は目を閉じて答える。

「おかえり」
「ただいま」

何度も何度も繰り返しながら、本当に私はこの場所に帰ってきたのだろ実感する。


「待ってた。」
「うん」
「ちゃんと届いてた」
「うん」
「俺からは見えてたよ」
「うん」
「鈴」
「・・・」
私は少し体を離してその人の顔を見上げた。
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