もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
恭はシャワーを止めると私の方へ近付いた。

近くにあるもう一枚のタオルで濡れた私の頭をわしゃわしゃと拭く。

体に巻き付けたタオルがとれないように抑えている私に、恭はふっと笑った。
「今さら」

その言葉に私は片手で恭の胸のあたりをどつく。
「変態。その発言は変態。」

「何言ってんだよ。」

確かに私たちは再会してからそういう関係になったけど、さすがに恥ずかしい。

「風邪ひくからとにかくなんか着ろ」
そう言って恭は私の手をひいて浴室から私を部屋に連れて行く。
< 368 / 432 >

この作品をシェア

pagetop