もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
私は再会してすぐに恭の家に引っ越した。
もちろんグランドピアノも一緒だ。

近所の家との距離がある田舎では、グランドピアノがあっても自由に弾くことができる。

以前私が使っていた部屋にグランドピアノを置いて、私は恭の部屋で一緒に寝ている。
そして、もう一部屋あった恭の亡くなった恋人の使っていた部屋は恭と私の荷物を置いている。

恭は私に引っ越すことを提案してくれた。

亡くなった彼女と暮らした家に私が住むことが嫌なのではないかと気遣ってくれたことが分かる。

でも、私はそんな恭の申し出を断った。

それは恭と、亡くなった恋人の話を聞いたからだ。
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