もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
恭と再会して、新しい関係が築けたときから、気づいたことがある。

恭は意外とよく話をする。

冗談も言う。

人の前でおならだって平気でする。

記憶を失っている私と暮らしていた時は、恭なりの遠慮や気遣いをたくさんしてくれていたのだと、今になり改めて分かる。

恭に抱きしめられて、私の体は恭のぬくもりでどんどんと温められていく。

両手を伸ばすと、恭は私の体をギュッと抱きしめくれる。

耳元で聞こえる艶やかな恭の吐息に、私の体の奥底から愛おしさがこみ上げる。

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