もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
まだいける。

まだおわりじゃないんだな。

いろいろな想いと一緒に浮かぶ音楽に、嶺は喜びすら感じながら没頭した。





若菜はいつでも嶺が連絡をするとマンションに来てくれた。

連絡よりも実際に話をしたほうがニュアンスや表情が見えていいからと、嶺がどんなにメールや電話での連絡だけでいいと伝えても、肩で息をしながら急いでマンションに来る。

そして嶺の話を熱心にメモに取りながら話を聞いてくれた。

年齢は違うのに、若菜と嶺はどこか感覚や価値観が似ていて、仕事を一緒にしているうちに、どんどんと打ち解けていった。
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