もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
私が持っていたのは、着ていた服と左手の薬指に輝くダイヤのついた指輪だけ。

ほかには財布も携帯電話もなかった。

名前を知っているのだから、警察に行って身元確認をしてもらったほうがいいと、病院の関係者が私を説得しようとしたとき、私はなぜか大きな恐怖に襲われた。

その時、私を引き取ってくれたのが目の前を歩く、恭だった。
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