もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「怖かった・・・」
言葉にすると恭が私の背中をさすりながらいつもの『大丈夫』をくれた。

少しして私が落ち着くと、恭は私の体から離れて、私の肩に手を置いて話始めた。

「今日の過呼吸は少しひどかったから、低酸素状態って言って脳の虚血状態になったから救急車で搬送されたんだ。」
私はきっとイベント自体に迷惑をかけてしまっただろうと想像してうつむいた。

「大丈夫。こっそり救急車呼んできてもらったし、イベントは無事にできたんだ。みんな鈴の頑張りに感謝してた。」
すぐに恭には私が考えていることなどわかってしまう。
「本当に?」
「本当に。」
私から視線をそらすことなく、まっすぐに見つめたまま答えてくれる恭に私は安心する。

「それと」
話の続きが怖くて私はまた身構える。

恭はそんな私に気が付いて私の手を握った。
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