もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
恭は・・・どう思っているのだろうか・・・

私はどうしたらいいかわからず、恭がどう思っているかを考えてしまう。

この2年間の記憶しか私にはない。
今の私はこの2年間の恭との時間がすべてだ。

でも、過去の私を思いだせば、今の私はなかったことになってしまうかもしれない。

でも、恭は私がすべてを思いだして過去に戻れば・・・私から解放されるのだろうか・・・



恭が私の頬に触れた。
自分でも気づかないうちに流れた涙を恭が大きく熱い手で拭ってくれる。

その顔はどこまでも心配そうで、私はこんな顔にさせているのは自分なのだと思い知った。


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