もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「すみません」
なぜか嶺にあやまる恭に、私の心が締め付けられる。

「ごめんなさい・・・大丈夫です・・・座ってください・・・」
私が話すと嶺は少し微笑んでから「大丈夫です。私もその距離だとまだ緊張してしまうので」と遠慮しながら後ろへ下がった。

病室の空気がかなりぎこしなくて張り詰めている。

なんだか息苦しくて私は恭を見た。
「窓・・・」
私の小さなつぶやきに気が付いた恭が病室の窓を少し開けてくれる。
「平気か?」
体調を確認するように恭が私に近づき私の顔を覗き込んだ。

嶺が立ち入れなかった距離に入る恭。
はっと気づいた恭は「すみません」と嶺に謝った。

またぎこちない空気。
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