もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
「彼女の両親は離婚して、彼女は父親の実家に預けられました。父親も母親も彼女を手放したんです。」
「かわいそうに・・・」
「彼女は笑わなくなった。ほとんど話もしなくなった。完全に心が壊れてしまったんだと思いました。」
「神永さんは幼なじみとおっしゃっていましたよね?」
「はい。彼女と家が近所で、近所のピアノ教室に一緒に通っていました。学校も小中高とずっと一緒でした。音大も一緒です。とはいっても、俺はずっと片思いしていて、彼女と親しくなったのは大学に入ってからです。」
「彼女も音大に?それまでは仲良くなかったんですか?」
「そもそも彼女は中学まではほとんど学校に来ていませんでしたし、ピアノ教室でも彼女は優秀なクラスで、俺は全然でした。彼女は大学には行っていません。高校時代もアルバイトばかりして、高校の学費は自分で働いて出していたんです。彼女の父親は彼女にはほとんどお金をかけませんでした。再婚をしてからはほとんど会いにも来ていなかったと彼女から聞いたことがあります。」
「どうやって親しくなったんですか?」
「彼女、ピアノが好きだったんでしょうね。楽器店に就職して働いていたんです。」
自分のことなのに、自分の気持ちすら思いだせない。
私は膝を抱えたままその話に耳を傾け続けた。
「かわいそうに・・・」
「彼女は笑わなくなった。ほとんど話もしなくなった。完全に心が壊れてしまったんだと思いました。」
「神永さんは幼なじみとおっしゃっていましたよね?」
「はい。彼女と家が近所で、近所のピアノ教室に一緒に通っていました。学校も小中高とずっと一緒でした。音大も一緒です。とはいっても、俺はずっと片思いしていて、彼女と親しくなったのは大学に入ってからです。」
「彼女も音大に?それまでは仲良くなかったんですか?」
「そもそも彼女は中学まではほとんど学校に来ていませんでしたし、ピアノ教室でも彼女は優秀なクラスで、俺は全然でした。彼女は大学には行っていません。高校時代もアルバイトばかりして、高校の学費は自分で働いて出していたんです。彼女の父親は彼女にはほとんどお金をかけませんでした。再婚をしてからはほとんど会いにも来ていなかったと彼女から聞いたことがあります。」
「どうやって親しくなったんですか?」
「彼女、ピアノが好きだったんでしょうね。楽器店に就職して働いていたんです。」
自分のことなのに、自分の気持ちすら思いだせない。
私は膝を抱えたままその話に耳を傾け続けた。