もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
海から歩いて5分ほどの場所に恭の家はある。
私たちは必ず家の外の水道で足を洗ってから家の中に入った。

サンダルには砂がたくさん入っている。

先に恭が自分の足を洗うと、振り向いて後ろで順番を待っている私に視線を向ける。

私は水道に近づくといつものように、恭につかまりながら足を流してもらった。

外の水道にはいつもタオルを私が用意していて、恭が私の足を洗い終えるとしゃがんで足を拭いてくれる。大きな肩に手を置かせてもらって、私の正面に大きな体を小さくしてしゃがむ恭。

恭は私の足を拭くと、同じタオルで自分の足を拭く。

はじめは恭に足を触れられることに抵抗があり、恥ずかしくもあったのに、今では慣れてしまった。

私たちは家の中に入ると、今度は洗面所に向かい手を洗う。
この時も、恭が先に手を洗う。その後ろで私は順番を待っていた。
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