もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
気付くと私は体を起こして嶺の手に自分の手を重ねていた。

その手が熱い。

私の行動に嶺は目を見開いて驚いていた。

「ごめん。」
嶺はそう小さくつぶやいてから、私の伸ばした手をぐっと自分の方へ引き寄せた。

私の体は嶺の胸に簡単に包みこまれる。



昨日は突然のことに動揺しかなかったはずなのに・・・

今日は私の胸が高鳴る。
気持ちと体が別のものになったように。

どきどきする気持ちと、なぜか懐かしさを感じた。
懐かしさなんて覚えていないはずなのに・・・。
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