もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
恭の家の近くに来ると、この街には似合わないきれいな格好をした長身の男が私の方へ駆け寄ってきた。

嶺だ。

心配そうな表情のまま私のそばへ駆け寄ると、私を抱きしめた。

その勢いに私の体がぐらりと揺れても、そんな私の体ごと抱きしめる。

痛いくらいに強く。強く。



きっと目を覚ましたらいなかった私に、嶺は心配しながら待っていてくれたんだとわかる。

申し訳なさがつのって、私は抱きしめられるままになっていると、恭はちらりと私たちの方を見てから先に家の中に入った。
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