もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
背中を向けてしまう恭。

そして困ったように笑いながら謝らせてしまった嶺。

私の胸がずきずきと痛む。


大切な人をこんなに傷つけてしまう私の罪・・・。


いっそ記憶を取り戻して私が自分の足でしっかりと歩けたら二人に迷惑をかけずに済むのに・・・。


「はぁっ・・・はっ・・・・ヒューッ・・・・ヒュッ・・・」
呼吸が苦しくなって私はその場に座り込んだ。

自分のポンコツな頭をたたく。
自分の弱い心をたたく。

どんなにこうしてたたいたって、自分自身に喝をいれたって思い通りにならない私自身・・・。
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