もう一度君と ~記憶喪失からはじまる2度目の恋~
どんどんと落ち着く呼吸。

私は目を閉じて恭の胸に頭をもたれながら心に決めた。


このぬくもりを手放すことを・・・

こんな私がいつまでも恭を縛り付けていたらいけない・・・

恭から離れないとならない・・・



いつまでも逃げていないで、ちゃんと過去と向き合わなくてはならない・・・と。

「恭・・・」
目を閉じたままその名前を呼ぶと必ず恭は答えてくれる。

「ん」

「恭」

「・・・なんだよ」

「ありがとう・・・」

「ん」
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