Good Night
『…うん、その、君みたいに、素直で明るくて、まぁたまに疲れるヤツなんだけど。一緒にいて楽しかったんだけどさ。』


一瞬、カズミさんが大人の女性から女の子に見えた。

『それって、まさか、大切な人ってヤツか』

当てずっぽうに俺は聞く。


カズミは寂しそうに下を向き。



『…うん…………昔のね…』



なんだか切ない日になってしまった。

この場にいたら俺は…きっと。


『じゃあ、寒いから帰るか…』

『うん、また来年だね』


白い息まじりの二人の会話は終わり俺らは別れた。



駐車場の入口の前ではサカイが俺とカズミさんとの会話を見ていた事は気づかなかった。
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