月刊ヤングMAGAZIN

オレが椛を抱きしめた



「こっちの方があったかい…」



椛、温かくて、柔らかくて、いい匂いがする



そして

かわいい




椛がオレの手を握った



「走ってきたから暑くて…
嵩琉の手、冷たくて、気持ちいい…」

そう言って
握ったオレの手を椛の頬に付けた



え、なにやってんの?



「保冷剤代わり?」



「うん、バレた?」


椛が笑った




や、笑い事じゃないから…



オレ、心臓バクバクいってる

走ってないのに




緊急事態




手が冷たいのに

身体だけ熱くなる





「気持ちいいの?」


「うん」




なに聞いてんだろ、オレ




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