月刊ヤングMAGAZIN

「で…なに?」

素っ気なく椛に聞いた


照れ隠し


緊急事態回避





「あ、そーだ…」




椛がオレから少し離れて
改まった


え、なに?




「嵩琉…ずっと好きでした
コレ、もらってください」



「え…告白?
バレンタインだから?」



「うん」



「それで、わざわざ?
別に部屋に来れば…」



「ちゃんと渡したかった
みんなみたいに…

部屋だといつも部屋着だったし…

学校の帰りとかに
制服で渡すのとか…憧れてた」



椛、そんなこと思ってたんだ




「じゃあ、ありがと…」



「うん」



椛から紙袋を受け取った




「で…、帰る感じ?」



「うん…
なんか言ってよ…」



「だから、ありがとう」



「だから…
それじゃ、いつもと変わらない…」



「じゃあ…
オレも好きでした…!
…みたいな?」



「もぉ…セリフっぽい…」



椛もセリフ棒読みだったじゃん

よくわからない、女心って




椛、いじけた…




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