月刊ヤングMAGAZIN

「じゃあ、今年は特別
椛に割らないの1枚あげる」



「ありがと」



椛は割れてないハートを

嬉しそうに食べた




「椛…」



「ん…?」




クッキーをくわえかながら

椛がオレを見た




「やっぱり…同じの食べたい…」



オレは

椛がくわえてるクッキーを



噛じった





椛も噛じった




唇と唇が触れた




ーーー




今年のクッキーも

甘くないオレの好きな味




「おいしい…」



「ホント?よかった…」



椛が恥ずかしそうに下を見た




「クッキーは甘くないけど…
椛は、甘い…」



「…じゃあ、嫌い?」



椛がオレを見た



「好きだよ…」



「クッキー?」



椛、照れてる


かわいい




「どっちも…
クッキーの味も
椛の味も
どっちも好き…」



ーーー




この三角の中に

甘い匂いと

甘い空気がいっぱいになる





「嵩琉…私でよかったの?」



「うん…
椛が1番最初にオレのこと
好きになってくれた子だもん…」



「早い者勝ち?」



「うん…
早い者勝ち」



椛とふたりで笑った






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