月刊ヤングMAGAZIN

振り返ったら

奴等がいた



「あ、嵩琉いた!」
「嵩琉、どぉした?探したんだけど」
「早く行かないと間に合わないぞ」
「オマエ、実行委員じゃん!」



ヤベー…椛、早く行って!



「あー、ごめん!
行こう、行こう!」



椛を見られないように奴等を押した



「アレ、誰?」



「え?誰かいた?」



とりあえずとぼけた



「嵩琉、喋ってただろ」



「あー…喋ってたかも…」



「あの制服、N高のだろ」
「嵩琉、N高に友達なんかいんの?」
「あそこ、めっちゃ進学校じゃん!」
「嵩琉みたいなバカ
相手にしてくれるようなヤツいるんだね」



更に言いにくくなった



「あー、同じ中学だったヤツ」



「へー
めっちゃ厚いメガネしてた子いたよね!」
「いたいた!しかもズレてたし!」
「やっぱ勉強ばっかしてるから
N高って、メガネ率高いよね」



笑うな!オレの椛を


最低だな!オマエら



「そんなこと…!な…」



「でもあのメガネの子…
なんか、オーラあるよな…」
「メガネ取ったらかわいかったり!」
「それあるね!大学行ったらモテるタイプね」



「そんなこと、ないよ
…ブスだよ…うん…
性格も悪いし…モテるわけない…」(棒)



「そーなん?」
「ま、いいや」
「急いで行こうぜ!」
「嵩琉、急げよ!」



「あー、うん」



オレが1番最低じゃん




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