月刊ヤングMAGAZIN

アレ?


今トイレの影から
フワって見えたスカート


誰かいた?


うちの学校の制服じゃなかった



…椛…?

椛だった?



聞いてた?今の話



「沢田さん、ごめん!
オレ、彼女いるんだ

こんな嘘つく男だよ
最低なんだ、オレ

沢田さんだったら嫌でしょ
もし彼が沢田さんのこと
なかったことにしてたら

ホントは
大好きな彼女がいるんだ、オレ

ごめん
オレ、みんなのこと、傷付けてる

最初から彼女いるって言ってたら
沢田さんも傷付けなくてよかったのに…」



ホント最低だよ、オレ



「そーなんですか…

でも、気持ち伝えられてよかったです

先輩の彼女、かわいんですか?」



「うん…かわいいよ

かわいくて、スタイルよくて
頭もいいし

それから…
オレのために一生懸命で
オレなんかのためにずっと努力してて
オレのことを1番に考えてくれてる

オレには、もったいない彼女なんだ…」



「彼女さん、先輩のこと
大好きなんですね

先輩も彼女さんのこと
そんなふうに言えるって…

やっぱり先輩は素敵でした
橘先輩を好きになって、よかった

先輩も彼女さんのこと好きなんですね」



「うん

大好きだよ」



「そんな真っ直ぐ言われると…
私の入る隙なんてないですね

先輩の彼女さんを想う気持ちが
伝わってきて…

私、今、ホントに傷付きました」



「ごめん
でも、これがホントのことだから…

これがホントのオレだから…
人に好きになってもらうような
男じゃないから…」



「わかりました

先輩、実行委員おつかれさまでした

先輩に彼女がいるって
校内中に広がると思っててくださいね」



「うん、おつかれさま
覚悟しとく…」



「私、友達と待ち合わせしてたんだ!
じゃあ、行きますね」



沢田さんはそう言って
オレに頭を下げていなくなった



あ、オレもクラスの当番だった!

行かなきゃ!




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