月刊ヤングMAGAZIN
椛の手を引いて迷路から出た
「ちょっと具合悪いみたいだから…
ここ、頼んでいい?」
クラスの当番の人にお願いして
椛と準備室に向かった
すれ違う人たちがオレたちを見た
他校の制服だし
しかもN高だし
手繋いでるし
注目浴びるのは当たり前か
椛はずっと下を見てた
「椛、大丈夫…?
やっぱ、だいぶ具合悪いんじゃない?
無理しないで保健室行く?」
椛の顔をのぞき込んだ
「んーん…大丈夫
ひとりで歩けるし…大丈夫だよ」
椛はうつ向いたまま答えた
そしてオレの手から椛の手が離れた
椛…