月刊ヤングMAGAZIN

「椛、さっき、そこのトイレから出てきた?」



「…ん?」



「オレの話…聞こえた?」



椛は黙って首を横に振った


椛じゃなかった?



「私、そろそろ帰るね
だから、嵩琉も戻って!
楽しんできてね
最後の学園祭

あ、萌に連絡しなきゃ…」



「うん、じゃあ、戻るわ、オレ」



「うん、頑張ってね!
ここまで連れてきてくれて、ありがと」



椛のメガネの奥は笑顔で

オレに手を振った



椛…



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