月刊ヤングMAGAZIN
「椛…?」
「ヤダ…
…
バイトが終わったら
この前、ぶつかった人が待ってて…
…
この前は、ごめん…て…
お詫びに車で送るって…」
え…
椛の呼吸が荒くなった
「椛、落ち着いて…」
オレも焦ってる
「嵩琉…ごめんなさい…
…嫌いにならないでよ…」
「嫌いになんてならないよ」
よく見たら
椛の頬に赤いアザがあった
「椛、なんか、されたの?」
「車に乗せられそうになって…
キス、されそうになった」
「ごめん…」
椛を抱きしめた
オレのせい
オレが迎えに行かなかったから
「ヤダ…
嵩琉、触らないで…」
また椛がオレから離れた
「なんで?なんで…椛?
オレじゃ、嫌なの?」
椛、震えてる…
「汚いもん…私…」
「そんなことないよ!椛!」
触れようとすると
椛はオレから離れる
怯えてる椛を見てられなかった
「椛、ママ呼ぶ?」
「ママ呼んだら、心配するもん…」
「オレも心配だよ…」
「ごめん、なさい…嵩琉…」
「椛…
怖かったでしょ」
「…うん…」
「じゃあ、我慢しないで…
…おいで…」
椛がオレに抱きついた
「嵩琉…こわかったよ…
嵩琉…ごめん…ごめんなさい…」
オレの腕の中で椛の身体は震えてた
「ごめん…
オレが悪い
…
ごめんね、椛
守れなくて…」