月刊ヤングMAGAZIN

「椛、もぉ大丈夫?」



「うん」



椛の髪を撫でようとしたけど

手を止めた



触れられるの

まだ怖いかな?



「明日も学校だから、寝よう」



「うん」



一緒にベッドに入っても

椛、いつもより距離取ってる



「嵩琉…」



「ん…?」



「ごめんね…」



「もぉ、いいって…
別に、椛、悪くないし…」



「ありがとう…迎えに来てくれて…」



「うん」



「一緒にいてくれて、ありがとう…」



「うん
そんなの、当たり前じゃん
椛の彼氏だもん、オレ」



「うん」



「ねー、まだ抱きしめたらダメ?
オレ、椛の彼氏だよ」



「…」



「まだ、怖い?」



「んーん…
嵩琉、嫌、じゃない?」



「なんで?」



「汚くない?…私
他の人に触られたんだよ」



「そんなこと思ってないよ
気にしてたの?」



「んー…だって…

お風呂入ったから、大丈夫?」



「汚くなんかないよ
椛、いい匂い」



椛の髪を撫でた



「嵩琉…」



「いい…?抱きしめても?」



「うん…」



そっと椛を抱きしめた



「いつもと変わらないよ
汚くなんかないよ

けど、嫌かも…
椛が他の男に触られるの

今度から気を付ける
ごめんね、椛
怖い思いさせて…」



ギュッて椛を抱きしめた



「嵩琉…好きだよ…」



「うん、オレも好きだよ

椛、キスしてい?
怖かったこと、忘れるぐらい」



「うん…」



ーーー


ーーー


ーーーーー



ーーー
ーーー
ーーー


ーーーーー



「椛、忘れた?」



「んーん…まだ…」



ーーーーー

ーーーーー

ーーーーー



「忘れた?」



「まだ」



「もぉ…椛…」



ㄙㄣ̔ㄙㄣ̔…



キスじゃ済まなくなるんだけど…



「椛、もぉ寝なさい」(棒)



「なんで?」



「ん?いいから…
続きは、夢の中で…」



「うん…おやすみ…」



「おやすみ…椛」



ーーー



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