月刊ヤングMAGAZIN
花火
花火の日
部屋の窓から外を見た
ドーン…ドーン…
遠くで花火が上がるのが見えた
オレは部屋の電気を消して
窓際で見た
椛の部屋も電気が消えてて
窓際に椛の影が見えた
♫〜着信音
椛からだった
「もしもし…」
「嵩琉…
一緒に、花火行けなくて…ごめんね
毎年行ってたのにね…」
久しぶりの椛の声
「うん…別にいいよ」
「よくない…
私は一緒に行きたかった
来年は、行こうね…」
窓際でスマホを耳に当てる
椛が見えた
ガラスの向こうで
椛が手を振った
すぐそこなのに
なんか、遠く感じた
なんか、存在が
なんか、椛が遠くに行ってしまったみたい