月刊ヤングMAGAZIN
椛の部屋を開けると
椛が
窓際のベッドにいた
オレは隣に座った
「久しぶり…」
「うん…」
椛が窓を開けた
夏の生温い風と冷房が
部屋の中で混ざり合った
ドーン…ドーンドーン…
「遠いから、音が遠いね…
毎年すぐ近くで見てたのに…」
椛が言った
月明かりで見た椛は、綺麗だった
こんなに綺麗だったっけ?
グラビアや雑誌の椛みたいに
別人みたいだった
でも隣にいるのは
本物の椛で…
「綺麗…」
オレから声が溢れた
「うん、綺麗…」
椛は花火を見て言った
「花火じゃなくて…」
「え…」
「綺麗…椛…」
「え…」
「ごめん、変なこと言って…
ただの幼なじみなのに…」
なに?オレ…
アホか
「んーん…嬉しい…
ありがと」
椛の笑顔、久しぶりに見た
いつもの椛が隣にいる