月刊ヤングMAGAZIN

「今日、せっかくメイク頑張ったのにな…」

クレープを食べながら椛が言った




無駄にメイクしないで

みんな見るから




「別にしなくても…」


かわいいよ

言えなかった



「だって嵩琉かっこいいから
つり合わないと思われるの嫌だった」



「は?」



逆だろ…



「嵩琉、モテるもん」



「彼女いたことないですけど…」



「うん、それは私が…
私が…なんでもない…」



「なに?
私が…なに?」



「あのね、怒らないでね…
幼稚園の時から
嵩琉のことかっこいいとか好きとか言う子に
嵩琉って女の子に興味ないんだよって
私が言ってたの」



「は?」



「だから、みんな嵩琉に近寄らなかった
そぉじゃなかったら
告白とか手紙とかバレンタインとか
モテモテだったと思…」



「え、なに?
じゃあ、オレは男が好きだとか
思われてんの?」



「…うん、たぶん」



「オマエ…
クレープ返して…」



「ごめんなさい」


そう言って椛は
最後の一口を自分の口に入れた




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