月刊ヤングMAGAZIN
「あ、あのね…
私、嵩琉にマフラー作ってたんだけど
やっぱり…作れなかった」
「椛、苦手だもんね…
前も、もらったよね、マフラー
小学生の時」
「覚えてるの?」
「覚えてるよ
ほどけてきて、椛泣いたじゃん」
「うん…
初めて好きな人に作ったのに
ボロボロだったし…
ほどけてきたよね…」
椛が恥ずかしそうに笑った
「うん、でもまだアレ持ってるよ」
「うそ!捨ててないの?」
「うん、だって椛が一生懸命作ったんだろ
捨てれなかった」
「恥ずかしいな…
あの時から裁縫下手だったね」
あの時から
好きな人に作ったのに…
好きだったの?
オレのこと
「だからね…
嵩琉のクリスマスプレゼント、ないの…
昨日の夜まで頑張ったんだよ!」
「いらない、オレは
今日、椛とデートできるだけで嬉しい」