月刊ヤングMAGAZIN

「あ、あのね…
私、嵩琉にマフラー作ってたんだけど
やっぱり…作れなかった」



「椛、苦手だもんね…
前も、もらったよね、マフラー
小学生の時」



「覚えてるの?」



「覚えてるよ
ほどけてきて、椛泣いたじゃん」



「うん…
初めて好きな人に作ったのに
ボロボロだったし…
ほどけてきたよね…」

椛が恥ずかしそうに笑った




「うん、でもまだアレ持ってるよ」



「うそ!捨ててないの?」



「うん、だって椛が一生懸命作ったんだろ
捨てれなかった」



「恥ずかしいな…
あの時から裁縫下手だったね」



あの時から



好きな人に作ったのに…



好きだったの?

オレのこと




「だからね…
嵩琉のクリスマスプレゼント、ないの…
昨日の夜まで頑張ったんだよ!」



「いらない、オレは
今日、椛とデートできるだけで嬉しい」





< 91 / 380 >

この作品をシェア

pagetop