死にたがりの僕が、生きたいと思うまで。
「あづさ、今日の昼と夜ご飯どうすんの? 朝ごはんは食ってくとして」
「え、飯食ってっていいのか?」
「ああ。食パンとハムエッグくらいしかないけど、それでもよければ」
作ったの俺じゃなくて爽月さんだけどな。
「全然いい!ありがと!」
そういって、あづは歯を出して笑った。……素直だな。
「ああ。それで、昼と夜は?」
「んー、まぁどうにかするよ。母親にお金もらって」
「貰えるのか?」
「……うん、へーき」
明らかな間があった。それに、目を逸らされた。
でも、ここで聞き返して本当かどうか確かめようとしたところで、ちゃんと答えてくれるのか?
あづが自分から言うようにならなきゃ、意味がない。
「……そっか。飯食いにダイニングいくか」
「おう!」
あづは笑って、ダイニングに向かう俺の後をついてきた。
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朝ごはんを食べ終わると、あづは学校があるから、家に帰ると言った。
「奈々、泊めてくれてありがとな。服はそのうち洗って返すから」
玄関にいるあづが俺を見ながら言う。
「……ああ。また来いよ。あづだったら、いつでも泊めてやるから」
「……うん、ありがと。またな」
そういうと、あづは笑って家に帰って行った。
俺は爽月さんにあづが帰ったのを連絡をしたあと、ダイニングのソファの上で頭をひねった。
これでよかったんだろうか。
あんなやすやすと帰してよかったのか?
いつもよりは明らかに元気がなかったのに。
「……でも、帰さなかったところでなんだよな」
帰さなければ家のことを話してくれるわけでもないだろうし、しょうがないよな。
「はぁ」
やっぱり爽月さんにも言われたけど、もっと遊んで、心開かせないとだよな。でないと、手遅れになってしまう。
俺はぎゅっと拳を握りしめた。